前衛

この地は 辟易した民によって
突飛な発想を生んでしまった
燻り、一条の煙が、漫ろに傾き
郭公の声に日盛りを魘され 竦む
木天蓼を纏った猫の 黄泉の間口
水張田のレフレクションが小躍り
大旦 疎ましい百足 見惚れぬ
塒へ帰る 音が 嬰児に 帰る