あきず

雌伏のときは日常と化し
四肢と翅をぶるんと回し
声を上げぬは無いものとし
快楽ばかり求める大人っ子

かなかなの来し方に白湯をかけ
ご満悦のしたり顔を疎むおのれが
人間失格と甚だしく共鳴している
どこか自意識過剰な熟年の女々しさ
そして。いつも、不満。氷解する心
漣に声を消されて、満月を祈る。

ないことと同然じゃない。確かに在り